橋本誠 二鶴堂さんと聞けば『博多の女(ひと)』をすぐイメージするくらいのロングセラー商品となっています。この博多を代表する銘菓を育てるまでには、いろんな出来事があったのではないかと想像するのですが……。

橋本由紀子 当社は昭和27年、博多中洲に小さな菓子店として創業しました。当初は『博多一番』という商品が人気を得ていたのですが、これを一気にビッグ商品に育てようと大型投資を行った矢先、商品の売り上げが減り始め、経営の大きな危機にみまわれました。

幸いこのピンチは、取引先の方々や従業員の協力で乗り越えることができました。経営を軌道に乗せることでそんなご恩に報いたいと純粋に考え、創業者が情熱をかたむけて開発したのが『博多の女』です。

商品の知名度を上げるために、昭和47年には地元のミュージシャンである太田幸雄さんに作詞・作曲をお願いして商品名と同じ『博多の女』という歌も作っていただきました。そんな皆様のご協力もあって、発売から35年を経た今でも、当社の主力商品の一つとなっています。

橋本誠 その後も様々な商品を市場に送り出し、大きな評価を得ておられますね。

橋本由紀子 一度経営危機をむかえた経験で、会社を支える柱は多い方がいいということを身をもって体験したわけです。その後も『卑弥呼の詩』をはじめとした様々な新商品を開発し、市場に送り出してきました。

しかし、贈答用のお菓子でロングセラーを生み出すことは決して簡単なことではありません。ひところは、1日で2?3点の商品を考え、月に1回は新商品を発売していた時期もあったほどです(笑)。そんな試行錯誤のなかから10年前に誕生したのが『博多ぽてと』です。

この商品では『ぽてっと君』というキャラクターを作り、福岡近郊の幼稚園をまわり『ぽてっと体操』を行うというキャンペーンも行いました。その効果もあって、現在この商品は『博多の女』を抜き、当社でNo.1の売り上げを記録するまでに成長しました。

また、贈答用菓子の分野以外にも、平成4年にはたい焼きのチェーン店『日本一たい焼き』の出店も開始しました。現在では14店舗。2010年にはアメリカへの出店をめざし、いま準備を進めているところです。『博多の女』『博多ぽてと』そして『日本一たい焼き』という3本の大黒柱が、現在当社を支えてくれているわけです。


橋本誠 最近、食の安全に関する消費者の関心が高まっています。毎日のように報道されているニュースをご覧になって、感じられることはありますか。

橋本由紀子 数年前、雪印のニュースを初めて目にしたとき、これは食品メーカーに対する警告であると直感しました。このハードルを乗り越えていけないメーカーは生き残れないと感じたのです。その後すぐに商品検査の専任チームを社内に設置し、厳しいチェック体制を確立しました。

社長これを機会に、新商品の開発から安全性の確保へと経営方針を大きく転換させました。今年完成した本社工場と佐賀工場も、消費者からの信頼にしっかりと応えるための投資であると考えています。『ピンチはチャンス』これが私のモットーです。食品メーカー全体に与えられたこの試練をバネに、消費者の方々から寄せられる信頼をより確かなものにしていきたいと考えています。

橋本誠 まさに博多の顔とでもいうべき商品ですから、社長の力強いお言葉を聞いて、福岡に住む者の一人として私もうれしく感じます。ますますリスクマネジメントが大変になってくるかとは思いますが、今後のご活躍に期待しています。本日はお忙しいところ貴重なご意見をありがとうございました。

●有限会社二鶴堂 会社概要

所在地 〒812-0054 福岡県福岡市東区馬出6丁目15番21号
TEL 092-621-8881 FAX 092-621-6908
設 立

昭和27年12月9日

年 商

13億4000万円

事業内容

菓子製造・販売

URL

http://www.nikakudou.co.jp

 
 

 


 
 
 
 
 
福岡市博多区東比恵3-5-6 TEL.092-411-5000 FAX.092-411-6000